「林獣医師 × わんシェフ」対談

「健康寿命を延ばしたい!」 #1

(2020年2月14日・・・1頁/4頁)


愛犬には健康で長生きしてほしい!
飼主であれば誰もが思っていることです。

健康寿命こそ長くしたい。。。そして(最後は)大往生。
※“大往生” :安らかに死ぬこと。少しの苦しみもない往生。 また、立派な往生。(広辞苑より)

我々の愛犬は(ヒトも、ですが)そこに向かっているのでしょうか。

2019年12月に出版された「獣医師が考案した長生き犬ごはん」の 著者である、獣医師の林美彩先生(以下、「林」)をお招きし、 犬の手作りごはん専門のレシピサイト「わんわんシェフ見習い中」を 運営する(株)コラビー代表の瀧谷(以下、「瀧谷」)がお話を伺います。

(全2回の1回目 :#2へ続く)


第1回 Quality of Lifeに向けた獣医師の仕事の在り方

- 未病のケアと末期のケア

瀧谷:林先生は、往診専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開院していらっしゃいます。どれくらい前から「chicoどうぶつ診療所」での活動をなさっているんですか?

林:「chicoどうぶつ診療所」は設立して2年ほどです。 5~6年ほど動物病院の勤務医やサプリメント企業での仕事をしたのちに開業しました。

瀧谷:「chicoどうぶつ診療所」のwebサイトを拝見させて頂いたのですが、往診専門なこともありますが、特色のある動物病院だな、と思いました。 改めて、お仕事について教えていただけますでしょうか。

林:私の仕事は、大きく“病前”と“病後”に分けることができます。 “病前”に関しては予防医療的な話として「病気にならないための身体づくり」が一番大事だと考えていまして、そのための支援やアドバイス、働きかけを しています。 一方、“病後”に関しては、病気等が進行して動物病院では治療がなくなって見放されてしまった犬のケアをしています。

どちらも往診専門でやっています。

- 「飼主と愛犬の最期の生活」のお手伝い

瀧谷:二つ目の「動物病院の治療からは見放されてしまった犬のケア」、こちらのお話から伺わせてください。
これはシビアといいますか、とても大変なお仕事ですよね。 どのようにケアを進めるのでしょうか?

林:はい。この仕事は、先ずは飼主さんの心のケアから入ります。 そこからペットのケアに入るながれです。

瀧谷:飼主さんの心のケアっていうと・・・
やっぱり、話を聞いてあげるっていうことが大事なんでしょうか。

林:そうです。自分の愛犬が「動物病院としてもう治療がない」と
言われてしまった飼主さんですから、心配や絶望、やりきれない気持ちを 抱えていたりします。その飼主さんが話したいことや聞きたいこと、不安、フラストレーションも含めて、時間がかかってもできるだけ全て聞くようにします。


瀧谷:時間がかかっても?

林:はい。そもそも動物病院だと、病院によって多少の差はあるとしても、獣医師は飼主さんとじっくり話す時間がなかなか取れないんです。
診察時間は限られていて、次に診察を待っている飼い主さんがいるので 獣医師の先生としては早く切り上げなければならないことが多い。飼主さん からすると、聞きたい、話したいけどできない、そういう状態のまま 帰らざるを得ない飼い主さんが多くいらっしゃるんです。
私は、往診の場合は1日1件と決めているので、ご自宅でじっくりお話を 伺うことができるんです。

瀧谷:往診っていうのはじっくり飼主さんと向き合う手段でもあるんですね。

林:なによりも、飼主さんの気持ちが和らぐと、それだけで結構ペットの 顔つきが変わるんですよ。
人間のお子さんと同じで、もっと言えば人間以上に彼らは素直なので、
飼主さんのストレスや心配、焦りが伝わってしまうんですね。じっくりお話 を聞きつつ、少しでも飼主さんが前向きに取り組めるようにする。
それが先ずは重要なんです。

瀧谷:なるほど。
私もこういった仕事をしているので、犬との生活のベテランというか専門家の知り合いが何人もいます。そういった方々の愛犬が亡くなるとき、場合によっては大変な介護をされているケースもありますが、彼らはそのような 場合でもどこか堂々とされているというか、大変であっても穏やかに 愛犬との最後の生活に取り組めているというか、そういった姿を拝見して感心することがあります。
「飼主さんが前向きに取り組めるように」というお話を伺って、彼らの振る舞いをイメージしました。

犬(ペット)自体のケアはどのようなことを行うのですか?
それこそ、動物病院では”治療がなくなった“といわれている状態だと思うのですが。

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