「林獣医師 × わんシェフ」対談

「健康寿命を延ばしたい!」 #2

(2020年2月20日・・・1頁/5頁)


愛犬には健康で長生きしてほしい!
飼主であれば誰もが思っていることです。

健康寿命こそ長くしたい。。。そして(最後は)大往生。
※“大往生” :安らかに死ぬこと。少しの苦しみもない往生。 また、立派な往生。(広辞苑より)

我々の愛犬は(ヒトも、ですが)そこに向かっているのでしょうか。

2019年12月に出版された「獣医師が考案した長生き犬ごはん」の 著者である、獣医師の林美彩先生(以下、「林」)をお招きし、 犬の手作りごはん専門のレシピサイト「わんわんシェフ見習い中」を 運営する(株)コラビー代表の瀧谷(以下、「瀧谷」)がお話を伺います。

(全2回の2回目 : #1はこちら)


第2回 未病段階で飼主がケアしたいこと

- 薬膳の考え方を取り入れた手作りごはん

瀧谷:前回は、獣医師である林先生の取組みである
「(治療がなくなってしまった)末期のワンちゃんのケア」、そして「未病段階でのケア」について伺いました。
どちらも、愛犬の(そして飼主の)“Quality Of Life”を充実させるための取組みでした。

今日は、飼主さんでできる“未病(および病状が重篤でない)段階でのケア”についてお話を伺っていきたいと思います。前回の最後の方に「ケアの中心でもある“食”」として、手作りごはんに関して触れて頂きました。
我々わんシェフは手作りごはん専門サイトですし、やはりそのテーマから伺えればと思います。
「個々の状況や体質をふまえ、また食材の食性を意識してあげることが重要」とおっしゃっていたことが心に残っています。

今日もよろしくお願いします。

林:はい。よろしくお願いします。

瀧谷:“食”、“手作りごはん”に関して、林先生はこの度(2019/12月)
獣医師が考案した長生き犬ごはん」を出されました。
今回本を出すことにした理由というか、きっかけみたいなものがございましたら教えてください。

林:正直に言うと、本を出そうと思ったというより、依頼を頂いたんです。
元々は古山先生(※「獣医師が考案した長生き犬ごはん」の監修を担当している獣医師)に出版の相談があったのです。
古山先生は猫ちゃん手作り食の書籍を出してきた先生ですので。
それで、古山先生から私の方にお話を頂きまして書くことになったんです。

瀧谷:そうだったんですね。

林:あ、でも私もいつかこのテーマで書いてみたいな、とは思っていました。

瀧谷:そんな経緯で実現した犬の手作りごはんの本なわけですが、「薬膳」の考え方を中心においていらっしゃることに目が留まりました。
私も何気なく「薬膳」って言葉を使うことがありますが、
ちゃんとわかってないです。(笑)
「薬膳」の考え方とはどんなものなのでしょうか?

林:薬膳は、季節のものを食材として取り入れること、そして個々の体質や体調に合わせた食性を意識することが基本になります。

瀧谷:季節のものは、やはりその時期に必要な栄養が豊富に含まれているってことですね。

林:はい。人間も一緒ですが、旬のものは栄養価が高いので。

瀧谷:もう一つに“食性”って言葉がありました。食性とは何でしょうか?

林:五性といいますが、食材がそれぞれ持っている特性を「熱、温、平、涼、寒」の5種類に分けて意識することになります。

瀧谷:食材によって「熱の食材」とか、「涼の食材」とかあるわけですね?

林:そうです。

瀧谷:それは、えーっと。
あ、この本(「獣医師が考案した長生き犬ごはん」の中を指さして)で肉や魚、野菜などで一覧になっているこれですか?

※「獣医師が考案した長生き犬ごはん」のP116-117を撮影

林:そうです。それ、食材早見表なんです。

瀧谷:これをどんなふうに使えばいいのですか?

林:体が冷えているワンちゃんであれば、温めるような食性をもった食材を使うようにして、熱を持っている場合は冷やすような食性をもった食材を使うようにしてもらえればと思います。

瀧谷:食材早見表を見ると、食性は「熱、温、平、涼、寒」に分かれているわけですけど、例えば“涼”と“寒”があります。“寒”を選択する場合は、“すごく熱を持っているとき”ということですか?

林:うーん、そうではなく、ワンちゃんのステージの方が近いですね。
シニアのワンちゃんや幼いワンちゃんには、“熱”や“寒”で一気に変化を促すよりは、“温”や“涼”の方がbetterだったりするのです。若い成長期の子 は“熱”や“寒”で構わないのですが。

瀧谷:なるほど。
とすると、“熱”のラムとか“冷”の馬肉とかって人気ある食材だと思うんですが、ちょっと使うワンちゃんを選んだ方がいいとも言えるわけですね。

林:低アレルゲンっていう意味ではいいのですけど、身体を温める、冷やすという意味では気を配りながら使用されるのがいいかな、と思います。
組合せで気を配ることもできます。例えば、“熱”のラムを使う場合は急に温めすぎちゃうから、“涼”の野菜を組み合わせた料理にして落ち着かせるとか。

瀧谷:あと、そもそもの話なのですが、五性を利用していくために、自身の犬が熱を持っているか(熱を持ちやすい)、冷えている(冷えがち)などの見極めが必要になると思います。
正直、自分の愛犬について、ちゃんとわかる自信がないのですが、飼主としてはどうしたらいいのでしょうか?

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