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「愛犬の口臭がきつい」と感じたら?口臭の原因と対策を紹介

犬の歯と口臭

最近、愛犬の口臭がきついと感じることはないでしょうか。犬の口臭は自宅のケアで改善される場合と、病院で治療が必要な場合があります。

今回は犬の口臭で考えられる原因や対策のほか、日頃のケアや予防法について紹介します。口臭があると体に何らかの異変が起こっている可能性が高いので、愛犬を確認してみましょう。

 

愛犬の口臭の原因とは?

愛犬の口臭の原因はひとつではなく、乾燥や歯周病、内臓疾患などさまざまです。以下では犬の口臭の原因を詳しく解説します。

乾燥によるもの

犬の口腔内は、唾液が分泌されている状態が通常です。唾液は口の中の汚れを洗い流し、清潔に保ってくれる作用があります。しかし、水分が少なくなったり鼻炎で口呼吸が多くなったりして口の中が乾燥してしまうと、生臭い、魚臭いような口臭がみられます。

また、夏になると暑くて舌を出しながら呼吸する状態も、口の中が乾燥する原因です。夏場は特に水の量が足りているか、室温は適温かを確認しましょう。

 

歯周病などの口内の炎症によるもの

歯周病は、歯垢の細菌によって歯を支えている組織が破壊されてしまう病気です。歯肉に腫れがみられる歯肉炎が先に発症する場合が多いでしょう。歯周病は、犬の口臭の原因としてよくみられる症状です。

歯周病が進んでしまうと愛犬の歯を支えている顎の骨がどんどん溶けてしまいます。ひどいときは骨折してしまう可能性があるため要注意です。歯周病では、よく腐敗臭のような口臭が発生するといわれています。

また口腔内に悪性の腫瘍がある場合、口の中の組織にも影響が出るので、歯周病と同じような腐敗臭を放つ可能性があります。

 

内臓疾患によるもの

消化器系の内臓疾患も、犬の口臭がきつくなる原因のひとつです。臭いの種類によって、以下のように口臭が異なります。

■糞便のような臭いがする場合
口の中が糞便のような臭いがする場合、便秘や腸閉塞、腸のねじれなどの病気が考えられます。腸内の食べ物がうまく消化されず、体に毒素がたまってしまうことで発症します。

放置してしまうと口臭だけでなく下痢などの症状が併発し、場合によっては命の危険もあるので、なるべく早く動物病院で診てもらいましょう。

■アンモニア臭がする場合
アンモニア臭がする場合は、腎臓や肝臓に何らかの異常があるかもしれません。本来は体の外に排出する物質を体にためてしまうことで、口からアンモニアのような臭いが発生する場合があります。愛犬に腎臓や肝臓の疾患がないか、動物病院で検査をしてもらいましょう。

■すっぱい臭いがする場合
犬の口内からすっぱい臭いがする場合は、胃腸の調子が悪いことが考えられます。胃炎のような重度な症状だと、食べ物や胃液を吐いてしまう症状が出ます。

すっぱい臭いがすると感じた場合は、愛犬が何を食べたか、最近食事を変えなかったか、ごみをあさる習慣はないかなどを確認しましょう。確認した内容を獣医さんに伝えることで、診察がスムーズに進みます。

 

食べ物によるもの

臭いが強い食べ物や劣化したペットフードによって、口臭がきつくなることがあります。劣化したペットフードは、口臭だけでなく嘔吐や下痢などが発症してしまう原因です。

ペットフードを購入する際に食べきりサイズのものを選んだり、なるべく空気に触れさせないように食料を保管したり、対策をしましょう。

また、飼い主さんが愛犬の歯磨きをしていないと、食べかすが原因で口臭がきつくなる場合があります。日頃から愛犬の口臭ケアをしてあげることは大切です。

 

愛犬の口臭が気になったら病院へ

犬の口臭が気になる場合は、緊急性がなくてもすぐに動物病院へ行きましょう。口内環境の悪化による口臭であれば、適切な対処で改善される場合があります。

内臓疾患が原因の場合はもっとも緊急性が高く、対処が遅れてしまうと命の危険も考えられます。口臭の原因は、専門の獣医さんに診断してもらわないと突き止められません。軽度だと決めつけずに、一度病院へいってみることをおすすめします。

 

愛犬にできる日頃の口臭ケア・予防方法

犬の口臭ケアは、原因によってさまざまな方法があります。しかし、口臭以外に嘔吐や腹痛が伴うような内臓疾患が疑われる場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。以下では、自宅でできる愛犬の口臭ケアを紹介します。

こまめに水分補給を促してあげる

口腔内の水分が少なくなってしまうと、口臭がきつくなってしまいます。夏場の暑い日や、食後などで口が乾燥している場合は、しっかりと水分を摂らせてあげましょう。水分量が増えて唾液が分泌されることで、口の中をきれいに洗い流すことが可能です。

 

歯磨きを習慣化させる

口の中の食べかすで歯垢や歯石がたまってしまわないように、歯磨きを習慣化させましょう。

歯磨きは歯ブラシをつかった方法がもっとも効果的ですが、愛犬に嫌がられてしまう場合があります。動物病院で、上手な歯磨きの方法を教えてもらえる歯磨き教室を開催している場合があるので、活用しましょう。

愛犬が歯ブラシをどうしても嫌がる場合は、直接汚れをふき取るシートタイプや、なめさせるだけのリキッドタイプ・ジェルタイプもあります。時間がないときは、飲み水に混ぜるだけの液体デンタルケアを活用しましょう。まずは習慣化させることが目的なので、歯磨きを続けることが大切です。

すでに沈着してしまった歯石の場合は、自宅でケアすることができません。動物病院で徹底的に歯石を除去してもらいましょう。歯周ポケットまでクリーニングする場合は、全身麻酔が必要です。麻酔をするほどのクリーニングにならないよう、日頃からの予防をしましょう。

 

ドッグフードやサプリメントを活用する

ドッグフードは、ドライタイプのものが歯垢になりづらいので、ウェットタイプを与えている場合は変更を考えてみましょう。

歯垢がたまりにくいように作られた、デンタルケア用のドッグフードもあります。フードは一度に切り替えるのではなく、徐々に切り替える方法がおすすめです。

また、デンタルケアのサプリメントが販売されている場合もあります。動物病院によっては取り扱いが違うので、一度担当の獣医さんに相談してみましょう。

 

デンタルケアができるおもちゃを活用する

犬用歯磨きおもちゃは、おもちゃを噛むことで歯垢を落とす仕組みになっています。おもちゃなら、歯磨きを嫌がってしまう愛犬にストレスを与えずデンタルケアが可能です。

犬用歯磨きおもちゃはバリエーションが豊富なので、安全性や素材に注意して選びましょう。噛み砕いて食べてしまっても安全なものや、愛犬の体格に合わせたものを選ぶことが大切です。

 

適度な運動を心がける

愛犬が運動不足だと代謝が悪くなり、体の不調を招きます。胃腸や腎臓、肝臓の疾患にかかると口臭がきつくなるので、適度な運動で予防してあげましょう。

また、運動は愛犬のストレス解消にも最適です。毎日お散歩したり、雨の日はおもちゃをつかって家で遊んだりなど、工夫をしてあげましょう。愛犬と一緒に、飼い主さんの運動不足も解消できます。

 

まとめ

愛犬の口臭の原因は、歯周病や乾燥、内臓疾患、食べ物などが考えられます。なかでも歯周病は、犬の口臭の原因になる第1位です。歯周病の予防には日頃のデンタルケアが大切なので、欠かさないようにしましょう。

また、口臭だけでなく嘔吐や下痢などほかの症状が出ている場合、内臓疾患が原因の可能性があります。放っておかず、すぐに動物病院で診てもらうようにしましょう。

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